権現温泉

古くから里人たちに利用されていた伊予の名湯三方を丘陵に囲まれた閑静な湯ノ里。
大正時代初期から自然湧出していた湯を、共同浴場を建てて利用したのが温泉の始まりといわれる。

この温泉郷を中心に遊歩道があり盛能山に登れば、瀬戸内海に浮かぶ忽那七島も望め松山城の姿も眺められる。
大衆浴場を中心に数件の旅館が並び、温泉街にはひなびた情緒が漂っている。
旅館はどこも内湯を備え、観楽境とは違って簡素で家庭的な雰囲気である。

かつてこの地に遊んだ歌人、吉井勇は「大伊予の友国の湯にひたりつつほのぼのとしてものをこそ思へ」と詠った。

四国八十八ヶ所霊場札所の52番（太山寺）53番(円明寺)からもほど近く、四国遍路の宿泊地や、温泉で疲れを癒すのにも好適。

泉質はアルカリ性単純温泉なので、ぬるぬる感があるのが特徴。
神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、皮ふ病、痔疾などに効果があると言われる。