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宮崎県は、西日本火山帯の火山フロントより東側にあることから、火山性温泉にはあまり恵まれていません。その点、隣県の大分県・熊本県・鹿児島県とは多少異なります。しかし、そう言っても魅力的な温泉も多く存在します。「殿湯」や「美人湯」、バラエティに富んだ京町温泉など、あまり知られていない眠れる秘泉地と言えるでしょう。
宮崎県の観光はいわゆる「南国情緒」が売りものです。温泉に関しても南国リゾート感を押し出した温泉地が多いことが特徴です。
青島温泉は、南国情緒あふれ、地元では別名「殿湯」と呼ばれている由緒ある温泉です。江戸時代に飫肥(おび)藩の殿様が入湯したとして名高い温泉です。豊富に湧き出る湯はヌルヌルとした肌ざわりが特徴となっています。数ある効能の中でも特に美肌効果が高いと評判になっています。湯上がりには、化粧水が要らないほどのしっとり感が味わえるのです。飲泉をすれば利尿作用に働き、体の老廃物を排出できる点も女性客を中心に人気になっています。紺碧の日向灘を望みながら湯に浸かれば、体の中から浄化され、心身ともに開放されていくのを感じます。
北郷温泉は、艶やかな桜の里に、ひっそりと湧き出る「美人の湯」と言われています。1955年、北郷町周辺で天然ガスの試掘をしていた炭鉱会社が発見した温泉です。当初、渡川に放流されていた温泉で、広住民たちが五右衛門風呂を置き、物珍しさもあって多くの人が押し寄せたのが始まりでした。現在ではその五右衛門風呂はありませんが、山のふもとに点在する4軒の宿泊施設に引かれています。地下約800メートルに噴出する源泉は、塩分が多く含まれています。そのため、短時間の入浴でも体が芯から温まり、肌にしっとりとなじむ「美人の湯」として女性客に評判です。飲用すれば便秘や痛風、肝臓病などに効果が期待できます。
京町温泉ではバラエティ豊かな泉質が楽しめます。明治~大正時代、鉄道工事労働者向けの宿場町として栄えていた場所に、雷が落ちました。その際に湧出したのが始まりの温泉です。当初は「雷温泉」と親しまれていました。後に温泉掘削が盛んに行われた結果、40以上もの源泉が次々に発掘されました。無色無臭の単純温泉や茶褐色の湯、黒湯などもありバラエティ豊か。レトロな雰囲気の共同浴場、「すっぽんぽん風呂」や「仙人風呂」などもあります。各宿自慢のユニークな湯船で個性あふれる温泉を楽しむことができます。
川端康成が讃えた“ほのかな風情”漂う地に湧く美人湯であり、大淀川の河畔に建ち並ぶホテルが共同で掘削した、たまゆら温泉。温泉街の中心に湧出した天然温泉です。泉温は約45.6度で、肌触りの良い弱アルカリ性ナトリウム塩化物泉の湯は、美肌効果のある「美人湯」として人気です。また、筋肉痛や五十肩、関節痛への効能もあります。引湯する4軒のホテルで楽しめるほか、温泉街には「足湯」もあります。街を散策する観光客の憩いのスポットとして親しまれています。