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東北地方におけるビジネス・観光拠点の中心的役割を果たしている宮城県。その代表的な温泉地は、主に3つのエリアに点在しています。
中心部の「仙台エリア」には、宮城県を代表する2大名湯「秋保(あきゅう)温泉」と「作並(さくなみ)温泉」をはじめ、太平洋側に足を延ばすと日本三景・松島を望む「松島温泉」があり、市街地からのアクセスも良く人気のエリアとなっています。
県南の「白石・蔵王エリア」は、神秘的なエメラルドグリーンの火口湖「御釜」にほど近い「遠刈田(とおがった)温泉」、褐色のにごり湯で有名な「鎌先(かまさき)温泉」、伊達の御殿湯が置かれた「青根(あおね)温泉」、開湯800年の古湯「小原(おばら)温泉」などが連なり、「頭痛に青根、傷に鎌先、目に小原」と謳われる“奥羽の薬湯”として古くから湯治客に親しまれてきました。
県北の「鳴子・大崎エリア」では、5つの温泉地を有する1000年の湯の里「鳴子温泉郷」が広く知られており、日本に存在する11の泉質のうち9種類が湧いていることから多くの温泉ファンを集めています。
東京から新幹線で1時間半、東北最大の都市として多くの観光客を集めている杜の都・仙台は、伊達政宗ゆかりの史跡、塩釜港から揚がる三陸の魚介類、牛タンやずんだ餅といったご当地グルメなど、一度訪れただけでは楽しみ尽くせないほどの魅力に溢れています。その仙台市内から車で約30分、“仙台の奥座敷”と呼ばれるエリアに湧くのが「秋保温泉」と「作並温泉」です。
欽明天皇が皮膚病を完治させた“名取の御湯”として伝わり、開湯1500年と宮城県随一の歴史を持つ秋保温泉は、有馬温泉、道後温泉と共に“日本三名湯”にも数えられる古湯。周辺では奇岩が重なる「磊々峡(らいらいきょう)」や日本三名瀑布のひとつ「秋保大滝」など、自然豊かな渓谷美を堪能できます。一方、寛政八年(1796年)の開湯以来、正岡子規や白洲次郎など多くの文化人に愛されてきたのが作並温泉。温泉街には名物の「作並こけし」や「ゴリラ山」、試飲サービスのある「ニッカウヰスキー仙台工場」などがあるので、のんびりとした散策を楽しむことができます。
日本に存在する11の泉質のうち9種類が集まる珍しい湯の里、それが「鳴子温泉郷」です。奥州三名湯のひとつ「鳴子温泉」、伊達家の御殿場がある「東鳴子温泉」、脚気に効くと名高い「川渡(かわたび)温泉」、うなぎ湯と呼ばれる「中山平温泉」、栗駒国定公園の中にある「鬼首(おにこうべ)温泉」の5ヶ所からなる一大温泉郷で、源泉の数は400本近くに及び湯量も豊富。そのため敷地内に自家源泉を持っている宿も多く、源泉かけ流しの本格的な温泉が味わえるのが魅力です。
昔から“東北の湯治場”として知られており、1000年以上の歴史を誇る鳴子温泉郷は、源義経が兄・頼朝に追われて平泉へ落ちのびる途中に鳴子を訪れたことや、松尾芭蕉が「おくのほそ道」で鳴子から尿前を通る出羽街道中山越えを選んだことでも知られており、周辺には義経や芭蕉にちなんだ名所旧跡や古道なども数多く残されています。